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はじめに 第26回海外都市行政視察調査団の一員として、10月12日より23日までの12日間にわたり、オランダ外3カ国を訪問する機会をいただき理事者及び職場の同僚に心からお礼申し上げます。 10月12日、新千歳空港は快晴、早朝7時団員7名が集合し、出発にあたり赤平市長親松団長に対し、今井副団長より第26回海外視察調査の団結式において決意表明が行なわれ視察調査が始まった。 新千歳空港から羽田国際空港を経由し、12時40分新東京国際空港から日本航空411便にて一路オランダ、アムステルダムのスキポール空港に向け出発、現地時間17時10分に到着、約11時間半の長い空の旅であった。 さっそく、全員空港で円からユーロに通貨を交換、一万円を両替したところ紙幣で 50ユーロ、20ユーロ、5ユーロ各一枚、コインで2ユーロ、50セント、20セント、10セント、5セント各一枚が返ってきた。 スキポール空港の外は曇り空で肌寒い天気である。団員一同、日本との時差は約7時間であるが、異国の緊張のせいかあまり感じていないようである。ホテルはアムステルダム中央駅前のビクトリアホテルである。 到着早々、レストランで安着祝いを行い明日からの視察・調査に向け早々に床に入った。 《オランダ・アムステルダム》 10月13日、7時モーニングコール、朝食はバイキングであり、チーズ、野菜等が豊富である。チーズは口に合いとても美味しい。レストランでは日本人の方が多く食事をし ていた。 9時、ビクトリアホテルを専用バスで市内施設視察に出発、気候は肌寒く富良野の10月下旬のような気候である。アンネフランク・ハウスミュージアムを見学、運河沿いのプリンセンフラント263番地の「隠れ家」には表の家と裏の家があり、屋根裏ですごすユダヤ人少女の息苦しさ、見つかれば殺される恐ろしさが伝わってくる雰囲気である。周辺の街並みは歴史と伝統の重みを感じられる建築物が立ち並んでいる。レンガ造りの家、レンガ造りの古い道路である。街並みを保存するため、厳しい規制が行なわれており、いずれの建築物も一様に間口が狭く奥行きがあるように見える。これには理由があり、昔から税金は建築物の間口の広さによって決められており、税対策によりこのような形態になったと説明された。 レンブラントの「夜警」、フェルメールなど17世紀の優れた作品を収蔵するオランダ最大の国立博物館、ゴッホの作品750点あまりを収蔵する国立ゴッホ美術館を見学して、日頃絵画などの芸術に関心の薄い私にとって大いに感動した時間でありました。 オランダは、九州とほぼ同じ広さの面積であり、人口は1,550万人、国土の25パーセントは海面より低い国である。アムステルダムは、1,300あまりの橋と大小165本の運河からなる水の都である。運河に沿って道路があり、石畳の自転車道、歩道にはプラタナスの街路樹、ベンチが置かれ市民の散歩道となっている。歩道には運河に転落を防ぐフェンスは無い、車止めだけである。 アムステルダムの街づくりに対する一例を感じたしだいである。 《フィンランド・ヘルシンキ》 アムステルダム・スキポール空港から約2時間半でヘルシンキ・バンター空港に到着である。外は雪が降っている。フィンランドは人口約519万人の森と湖の国であり、世界で最も生活水準の高い先進福祉国家と言われている。空港からヘルシンキに向かうバスの窓からは、北海道を感じる風景である。シラカバ、ナナカマドが紅葉している。 ヘルシンキは、三方を海に囲まれた人口約 56万人の坂の多いモダンな街である。市長は女性であり、大統領も女性、国会議員200人の三分の一強は女性である。また離婚率は50%であると説明された。 街の建築物は高さ、色、形が規制され一階は店舗、二階は事務所等、三階以上は住居のようである。見学地であるエテラ港に面したマーケット広場は、果物、野菜など生鮮食料品を売る露店が立ち並んでいる。 ヘルシンキ市民の生活を肌で感じる場所である。 マーケット広場から赤レンガ造りの教会が高台に見える。ウスペンスキー寺院である。1860年ロシア人の建築家によって建てられたものであり、壁にはキリストと12使徒が描かれている。帝政ロシアとの歴史を感じさせる建物である。 フィンランドが生んだ世界的作曲家ジャン・シベリウスを記念してステンレスパイプのモニュメントがゆったりとした緑豊かなシベリウス公園に設置されていた。 バスの窓から見るヘルシンキの街はレンガの家並みは見当たらない。ロシア風の建築物が微妙な調和と景観を保っているまちである。 《スウェーデン・ストックホルム》 ヘルシンキからスウェーデン・ストックホルムには船の旅である。ヘルシンキのマーケット広場に面したエテラ港から国際航路バイキング・ラインでスタットゴーズハムネン港まで約15時間である。朝9時半に、到着、天気は悪く肌寒い気候である。 ストックホルムは14もの島にまたがる森と湖の街である。13世紀からの古い街並みをもとに、人間環境を大切にする近代的な都市理論により何世紀もかけて造り上げてきた人口約75万人の近代都市であると説明を受けた。 メーラレン湖に面した赤レンガの市庁舎は、ノーベル賞授賞者の晩餐会、舞踏会が開かれるところである。建物は市庁舎というよりも宮殿を思わせるものであり、二階にある黄金の間は、壁面が金箔モザイクで飾られ豪華絢爛そのものである。ここでノーベル賞授賞パーティーの舞踏会が開かれるとのことである。 スウェーデンの古い建物が集められているスカンセン野外博物館は百年以上の歴史ある博物館である。ここは、子供のころの遠足の場所であり、やがて自分の子供の乳母車を押し、最後は孫の手を引いて遊びに来るストックホルムの人々の生活の一部になっているところである。 旧市街を歩くと、狭い路地の両脇にびっしり建物が並んでいる。道路はデコボコの古い石畳である。通りにはギャラリー、モダンな銀細工の店など、歩いていると楽しい雰囲気がある。また、中世の古い歴史も感じる不思議な通りでもある。ストックホルムの街は魅力あるまちである。 《スイス・ルツェルン・グリンデルワルド》 最後の視察地であるスイスに向けストックホルム・アーランダ国際空港よりスイスクローテン国際空港に約2時間半で到着である。飛行機の窓から見た景観は絵葉書のように美しい田園風景である。 四つの森と国と湖のほとりに栄える中世の面影を残す街ルツェルン市は人口約25万人の街である。ロイス川に架かる世界最古と言われているや屋根付き木橋「カペル橋」、ライオン記念碑には多数の観光客などが訪れていた。 アイガー北壁のすそ野にあるグリンデルワルドは日本人の人気の高いアルペン・リゾート村である。アイガー、メンヒなど4,000メートル級のアルプス山脈が目の前に雄大そびえ立っている。登山鉄道で標高3,454メートルのユングフラウヨッホ駅に到着、空気は薄い、展望台は吹雪である。雄大な青白い氷河、アルプスの山々はただ圧倒されるばかりの風景である。グリンデルワルドは訪れる人々を飽きさせない施設、登山鉄道、村の景観など心と体全体で感じるリゾート地である。また、ここは日本人観光客が大変多く日本語案内板、日本語の話せる店があり、日本の遠くて身近な観光地であることを実感したところである。 最後に、今回、4カ国の視察調査にあたり共通して感じたことは、歴史を大切にした、歴史あるまちづくり、景観づくりを肌で感じた次第であります。 おわりになりますが、親松団長をはじめ、北海道市長会の居上参事さん、12日間にわたり同室でお世話になりました、北見市の綱川さん、各都市から参加されました皆さん、視察全般に亘りお世話になりました日通旅行の佐野さん、12日間に亘り思い出深い視察、交流をさせていただきましたことに心からお礼申しあげます。 |
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