ヨーロッパ4カ国を訪ねて

北見市企業局次長 綱川 忠晴



はじめに
 この度、第26回海外都市行政視察団員の1員としてオランダ、フィンランド、スウェーデンそしてスイスの4カ国を視察研修してまいりました。
海外研修の機会を与えて頂き、大変貴重な体験をさせて頂きました関係各位に感謝申し上げます。

《オランダ》
 私にとって初めての海外の土を踏む地となったのは、オランダで10月12日(土)17時10分位で現地はまだ明るかった。
 スキポール空港からバスでアムステルダムの街に入ると自転車が多いのには驚きました。オランダは平坦なので自転車が多いのは想像できましたが、変な表現かもしれませんが自転車が右往左往していました。
 道路には車道と歩道の間に自転車専用の道路が確保されている。自転車が多いのでアムステルダム駅横には世界一の駐輪場もありました。
 オランダは土地が少なかったので湿地など砂混じりの水をくみ上げ砂地の土地を造り木杭を打ち建物を建てたことから「オランダの地はオランダ人がつくった」と言われています。運河もオランダの特色ですが土地が少ないこともあり運河には住宅として使用している船が沢山あり、船の住宅に住むことが夢となっています。現在は電気、水道がつながり下水道にも接続できます。
 長崎のハウステンボスにあるような街並みがならび17〜18世紀の建物が現在も使用されており街並みを保存するために改修・新築のときは形、色、高さなどの建築制限をかけて保存に努力しております。

《フィンランド》
 フィンランドに着くと雪景色で今年3回目の雪とのことですが私にとっては初雪で寒さが身にしみました。
 「森と湖の国フィンランド」の郊外をバスで走ると北海道の郊外を走っている錯覚がします。フィンランドはオランダの砂地と違い岩盤の地であります。その特徴を生かした教会がありますが、1969年に建てられたテンペリアウキオ教会を見学しました。
 岩盤をダイナマイトでくりぬき、大きな穴をつくりダイナマイトの爆発でできた岩を周囲に積み上げその上に明かりが入るようガラスを使い天井は銅板を葺いて教会として、また音響効果が良いことからコンサート会場としても使用され珍しい建築物であり大変興味を持ちました。
 フィンランドは1995年にヨーロツパ連合に加盟し農業従事者は大打撃を受けました。現在、フィンランド農業は農産物の差別化をし付加価値のある農産物をめざしております。その一つとして農薬を使用しない有機栽培に国をあげて取り組んでおります。
 また、環境対策にも力を注いでおり1例として農地の土、肥料、家畜の糞尿が河川に流れて河川を汚染しないようにバッファーを設けているとのことで、河川の水を飲料水として利用している私達としては素晴らしい政策と思いました。

《スウェーデン》
 フィンランドの首都ヘルシンキからスウェーデンの首都ストックホルムまでは豪華客船バイカルラインの旅で船酔いが心配でしたが揺れはほとんど無く快適な旅でした。
 ストックホルムは北欧のベニスとも言われるように水と島の美しい街で、郊外の小さな島々には別荘が立ち海底ケーブルで電気も供給されているようでした。
 スウェーデンと聞けばノーベル賞が浮かびます。今年は日本から田中耕一氏と小柴昌俊氏の2人が受賞することとなりましたがノーベル賞受賞後に行われます公式晩餐会会場などを見学し、2人が出席する姿を重ねますと感慨深いものがありました。

《スイス》
 最後の訪問国スイスへの旅は、定員50〜 60人位の小型ジェツト機で何度か大きく揺れて少し不安な空の旅でしたが無事スイスに着きました。
 北欧2ヶ国は非常に寒く皆震えていましたが、スイスは暖かく心地良い気分になりました。
 現存する屋根付木橋では世界最古の木橋であるカペル橋を見た後にアルプスの麓にあるグリンデルワルドまではヨーデルの歌を聴きながらのバスの旅で、車窓から見る景色の美しさはまるで緑のジュータンの上に住宅を置いてあるようでバックに見える雪を少しかぶった山々が、それと融合し景色は格別で感動しました。
 スイスの中都市ザンクトガレン市には世界遺産の修道院があり、ここに保存されている本を見せていただきました。羊の皮に手書きで書いた本がありましたが、その中の1冊は、800ページの本で1頭の羊から4ページ分しか羊皮紙がとれないので、この本を作るのに200頭の羊を使ったとのことでした。
 また、私たちがザンクトガレン市を訪問した時に、日本の北海道から視察研修に来たとのことで地元の新聞社、テレビ局の同行取材がありました。新聞社は夕方まで同行しましたので後日新聞に出るとのことでしたがテレビには次の日の朝にトップニュースで放送されました。

《おわりに》
 ヨーロツパ4カ国を訪問し感じたことの一つとして北海道には無い長い歴史がありそれを、後世に伝えるべく大事にしております。政治・文化などにおいても各国がそれぞれ特徴を持つており、各国が現在まで歩んできた歴史をもとに作りあげているように感じました。
 4カ国を訪問して感じ、刺激を受けた貴重な経験を今後の仕事の中に少しでも反映することが出来れば、と考えております。
 おわりになりますが、団長はじめ団員の皆様には大変お世話になり、心から感謝申し上げます。



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