主催者挨拶

開催市及び北海道市長会代表
札幌市長 上 田 文 雄

 開催にあたり、一言ご挨拶申し上げます。
 本日は全道各地の市長、市議会議員の皆様方、さらには日頃からまちづくりに取り組んでおられる、大勢の皆様方にご参加を頂き、記念すべき30回目を迎えます北海道都市問題会議を、ここ札幌で盛大に開催できることを大変嬉しく思うところです。また、快く基調講演をお引き受けくださった小林先生をはじめとして、コーディネーター、パネリストの皆様方、そして会議の開催準備にご尽力頂いた淺川会長をはじめとして、北海道都市地域学会の皆様、田中事務局長をはじめとする北海道市長会の事務局の皆様方に心から感謝を申し上げたいと思います。
 北海道都市問題会議は、道内各都市のまちづくりの方向性や、都市のあるべき姿を明らかにするため、昭和49年から毎年開催されております。道内でまちづくりに携わる方々が一堂に会して、その時代に都市に求められているもの、そして都市が抱えている共通の課題について討議をしてきたところでございます。本日の会議は、経済的な自立とパターナリズムをテーマにしております。私は今月6・7日に高松市で開催された、第67回全国都市問題会議に参加して参りました。そちらでもメインテーマが「個性輝く都市の再生」でありました。全国各地から2,000名を超えるまちづくりの関係者が集まり、本当に熱心な討議をされ、各自治体で実践されている様々な経験の交流を通じて、たくさんの皆さんが学習し、これからもまちづくりに頑張っていこうという決意を、皆で確認させて頂いたところです。
 来年7月20日と21日には、この全国都市問題会議がここ札幌、しかもこの会場であるコンベンションセンターを中心に開かれることになっております。是非、そちらにも皆様方のご参加を頂きたいと、一言宣伝させて頂きます。
 どの都市でも、抱えている問題は非常に大きく、財政が厳しい状況の中で、どれだけ自分たちのまちの自立を図ることができるか。そしてその自立のキーポイントになるのは、やはり市民の自立的な精神が何よりも大事であります。様々な創意工夫を官民挙げて実施していくこと。そして行政がするべきことは、民間の皆様方にどう築いて頂き、活力を出そうというインセンティブなり動機づけをいかに行っていくかにあると、よく言われております。
 札幌市におきましても、非常に厳しい財政状況の中で、できることの範囲は限られております。少しの事業、例え100万の事業であっても、100万の価値のままの効果であっては不十分であると考えております。100万の投資をした場合、それが民間に波及し、皆が力を合わせて200万、300万、500万の行政効果が発生するような、そういう事業展開をしなくてはなりません。そのためには、このまちを想い、このまちの発展と自らの生甲斐、あるいは自己実現をどう結びつけて考えることができるか。そのような問題提起をしっかり行っていかねばならない、そんな思いで行政を司らせて頂いているところです。これは都市の自立、そして市民の自立と全く合致するものであり、本日のテーマの中で小林先生の基調講演を頂戴いたしますが、楽しみにしているところであります。また、分科会を通じて、講師の方々からご紹介される北海道のまちづくりの実践例も、札幌市においてもたくさん学ばせて頂きたいと思っております。どうか多くの皆様方のご討論、惜しみない自らの経験をご披露頂き、各自治体に持ち帰られて実践して頂き、北海道全体の繁栄を共に担って頂きたいと思うところです。
 短い時間ではありますが、是非この会が実り多い会議となりますことを心から祈念申し上げ、開催に当たって準備をして頂いた皆様方に再び感謝を申し上げ、ご挨拶とさせて頂きます。どうも有り難うございました。


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